神奈川県ではシニア向け賃貸物件が年々増えている

近年では、ある程度の所得水準に達してもマイホームを購入することなく、賃貸暮らしのまま人生を過ごすという人が増えてきました。そうした傾向の背景にはもちろん価値観の多様化がありますが、少子高齢化という、国全体の状況も見過ごすことができません。資産を遺すべき子世代がいないのであれば、持ち家にこだわらず身軽なシニアライフを楽しみたいという高齢者が多く見受けられるようになっています。賃貸入居者に占めるシニア世代の割合は、都市部を中心に増加しています。

神奈川県においても、その傾向は顕著です。政令指定都市を3つも有し、多くの都市人口を抱える神奈川では、高齢者の1人暮らしや、高齢者のみで構成される世帯数の増加が進んでいます。そうした人々の中には、住まいのメンテナンスを自ら行わなければならない持ち家を手放し、管理をオーナーに任せられる賃貸住宅の方が暮らしやすいと考えている人が少なくありません。これに伴い、神奈川県内ではシニア世代が利用しやすい特徴を持った賃貸物件の数が増えてきています。

具体的な特徴は個々の物件ごとに異なりますが、全体的な傾向として言えるのは建物内の段差をできるだけなくしてスロープを設置したり、階段や廊下に手すりを取り付けたりして移動を楽にする、バリアフリー設計を取り入れた物件が多いということです。また、年齢的な事情から連帯保証人を見つけるのが難しいという状況に配慮して、家賃保証サービスを利用しやすくするといった工夫も見られます。

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